1994年に裏カジノの老舗の店舗からデビューをすることになったのだが、この店舗の給与形体は、ほぼ全員が月給制であり、この時代にしては珍しい店舗であった。
この老舗カジノ店はオーナーの一族で幹部を固めていて、他人の血は経営側には入れない方針でもあり、この店舗は独自の経営スタイルを持って営業していたのだ。
結局、1年も耐えることができず、他店舗のカジノ店へと移った。その後、この老舗のカジノ店は業界の中でも異例であることに気がついたのだ。
当時の裏カジノ店では通常、ディーラー、ウエイトレスの給与体系は時給で計算されていることが多く、月給制は珍しかった。
裏カジノの黒服業務の平均給与は35万円から50万円が相場になっていて、その中でもディーラーを経験している黒服業務の人は50万、カジノ経験なしの黒服業務者には35万前後だった。
この時はディーラーとして働くことに楽しみを感じていたし、給与も大したことがないため、黒服業務には興味もなくやりたいと思わなかった。
ある程度ディーラーとしての実績を積み上げた後、2000年ごろには黒服業務を経験することになっていた。その時の給与は基本が月給で60万円。大きな収益があるときには別で30万円くらい歩合給みたいな感じで貰っていた。
多い時に月の総収入が150万円くらいにはなっていたので、お金を稼ぐというよりもお店に収益を上げることで自分への見返りがあるので、お店のためにどうすれば良いのかを常に考えて行動していたのだ。
まだ店長でもなく、もちろんお店を統括するポジションでもなく、幹部の黒副業務をしているだけなので、自分よりまだ上の役職の人たちは、もっと多くの金額を貰っていたことになる。
まだ26歳を過ぎたばかりで向上心も強く、何とかもっと早く上の立場になることをいつも考えていた。