今までの約十年間散々とポンコツディーラーをしてきたオレたちが、可愛がっている後輩たちにも稼がせる道を与えるために今まで培ってきたポンコツ技術を継承することも視野に入れはじめていた。
オレたちが直接の実行犯とならずに裏方に廻り、育ってきている後輩たちを鍛えて、それなりのポジションや配当を与えることによって本人たちのヤル気も違ってくるだろう。
チップまわしからスタートしたオレたちのポンコツで、今までどれくらいの金額を抜いてきたのだろうか?
一人で100万円の配当を得るためには最低でも300万円は抜かないとこの価格には辿り着けないだろう。
オレたちは毎月ポンコツ手当だけでも100万円以上を数年間続けてきているそれなりの金額を抜いてきたことは間違いない。
裏カジノ店舗を経営するオーナー側にまわってきているオレたちは、店舗売上の数%を貰うが実行犯に当たるポンコツディーラーはその日に抜けた額の数%となるため、日銭が生まれお金に困らないあぶく銭を手にすることができる。
なぜ、ポンコツをするのか!? といえば当然ながら配当金が目当てとなるのだが、オレたちがいる裏カジノ店舗はかなり強力な店舗なのかもしれない。
有名なヤクザ組織の後押しがある店舗なのでそこら辺の裏カジノ店舗とは状況が異なっているのだ。
ある意味でポンコツがバレたとしても「だから何だ!」と実際にはいわないがそう言ってしまっても大丈夫なほど強力な裏カジノ店舗だった。
そうだとしてもオレたちポンコツディーラーの精神は「たとえバレたとしても、どんなことがあっても、ウソを突き通しポンコツは認めない!」。
コレを腹の中に常にもっていなければポンコツディーラーは勤まらない。そのため、後輩たちにも技術だけでなく精神も鍛えて継承させていかなければならないのだ。
そして、仮にこの後輩たちがミスを犯してポンコツがお客さんにバレたとしても、オレたちが全力で守ってあげなければならないのだ。。。