「ツリ」による強力な武器を身につけたオレのポンコツレベルはかなりの勢いで上昇することができた。
基本的に「ツリ」を行う場合にはツリ用の「組みカード」が必要になり、そしてこの組みカードを「ポン替え」によって場面へとブチ込まなくてはならない。
ポン替えにもリスクが生じているため、お客さんの厳しい目が光っているときには入れることが出来ないこともある。
逆に言えば、ツリ用の組みカードを入れなければ「ツリ」を行うことができないということだ。
この場面にポンコツ知識が豊富なお客さんがいた時には、どんなに美味しいターゲットが居たとしても取りにいくことが出来ない。
一晩に数百万を使ってくれる美味しいターゲットが来てくれているのに指をくわえて眺めることしかできないのだ。
こういった時にはヒラで流すか!? メカの投入でいくか!? ぐらいしか手がないのだが、オレのいた裏カジノ店舗ではポンコツ知識のあるお客さんを何らかの理由付けをして追い出す努力をしていた。
いかがわしいことをしているオレたちの裏カジノ店舗では、こういったお客さんがいると面倒なことも起きるのでポンコツ知識があることが分かりしだい、すぐ出禁方向へもっていく。
ポンコツは素人相手には有効なため、オレたちにとって美味しいお客さんしかいらないのだ。
ヒラでまっとうに勝負していく店舗ならば良いのだが、こうしてポンコツがやりやすい店舗作りもオレたちの仕事のひとつだろう。
こういった場面のディーラーとしてのポンコツを含めて大きな見返りとして高額な給与を頂いているのだ。。。