オレたちが使う言葉で「ポン箱」、、、店ぐるみで行う「タテ」のポンコツ裏カジノ店舗だが、オレはこの「ポン箱」でポンコツ技術を磨く事を心に決めていた。
手始めに「バカラ大会」と称したある一人のVIP客をはめるお仕事に携わる事になった。
コレは裏カジノ店舗にVIP客ただ一人を呼んで、多額を抜き取ることだ。
このVIP客を呼ぶために様々な手を施して店に呼び来んでいき、店内には客を装った店側の「すわり(さくら)」が7、8名待機している。そしてオレたちポンコツ従業員たちがポンコツバカラのための組みカードブチ込んでおく。
場面には$5,000や$10,000以上のチップを持った「すわり(さくら)」たちが勝負をしているような雰囲気をつくり、訪れたVIP客が本当の場面なのだと思わせていく。
すべてがVIP客をハメるために仕組まれている訳なので、当然ながらこの先すべての当たる方が分かっている。勝ったり負けたりをしながら負ける役、勝ち上がる役を演じながら場面は熱くなっている様子になっていく。
当然、VIP客は現金をだして勝負を始めていくが勝てる見込みはある訳がない。
勝たせてあげたり、負けさせたりをしながら多額の勝負どころをガッポリと吸い込んで、気のない薄めのBETで連勝させていきながら追い銭をさせていく。
初回30万円のチップはすぐに溶けていき、50万円、100万円とVIP客から吸い取っていく。
お客さんはVIP客だけなのでいくら吸い取れるかがオレたちの勝負どころになる訳だ。
VIP客といえども数百万を持ち歩くことも少ないため、ココは店側からチップの貸し出しを行う。200万、300万円と金額が膨らめば賭け金も当然上がっていき、最終的には千万単位の借金がここで生まれることに繋がるのだ。
そして、生まれてきたこの借金をヤクザ組織の看板を活用してキッチリと回収していく。この回収されたお金からオレたちの配当が生まれ、それぞれの役割に応じたお金が手元に入ってくるのだ。。。