オレたちが行ったポンコツが原因なのだろうか?
同じ裏カジノで働く、黒服からポンコツのスカウトをされたオレは、あの黒服たちともポンコツをしていくことになったが、黒服と知り合ったのはこの店に入った1ヶ月ほどのこと。
この黒服を何処まで信用して良いのかも分からないまま、仲間になってしまったオレは、浅はかな考えだったのかもしれない。
どのようなやり方で、配当がどれくらいなのかもハッキリしないまま、ゲーム場面では黒服の指示に従いながらやっていくことになる。
「5番のお客様に前から20点おねがいします!」
という黒服に対して、オレはテーブルから$2,000(20万円)のチップを出す。
通常であれば、お客さんから現金を渡された額を、ディーラーがテーブルからチップを出して、現金を預かった黒服はディーラーがチップを出した事を確認し、キャッシャーへ持って行き、現金をチップに変えてゲームテーブルへ戻していく。
今回、この黒服は、オレのポンコツ仲間となった訳だから、このチップを持ってくることはない。
お客さんから預かった現金は、そのまま黒服の内ポケットへしまい込み、コレがオレたちのポンコツ収益と変わるのだ。
黒服は広い店内をグルグルと廻りながら、他の従業員たちを確認しながら、現金を預かった事実を無かったことにしていく。
他にも黒服の手のかかったお客さんには、オレのテーブルへ座らせて、現金も受け取らすに「前から20点お願いします」と言い、そのチップで勝負をさせて勝たせてあげるために、多めの配当をつけたりしながらチップを増やしていくのだ。
当然ながら、こういったポンコツをかけるとこの場面では、オレたちの収益のために黙ってチップを出すだけなのでオレ個人の成績はマイナスとなる。
そこで、黒服が手回しをして「今日のあいつは調子が悪かった!」など、オレの立場もフォローしていく。
何となくこの黒服とのポンコツも見えてきて訳だが、配当金に疑問が生じてきた。約50万円ほどのポンコツ収益からオレの配当は10万円に届かないのだ。
少なく見積もっても3人で行ったポンコツに対しての配当額に納得ができない。
この黒服とのポンコツは、黒服の采配によって配当が出されていくので、ハッキリとした数字を教えてくれない。
ポンコツをするにあたって信用をした仲間でなければ、後々で裏切りがでてくることも考えられる。
まだまだ経験の浅いオレではあるが、早い段階でこの事を黒服とハッキリさせることが重要だと感じたので話をすることにした。。。