東北大震災を過ごした大型裏カジノ店舗を辞め、今後オレの家族が何処でどのように暮らしていくのかを考え、家の売却や海外への移住先を探しながらも、「O氏」が話を持って来てくれた、裏カジノ店舗へといくことにした。
今回の仕事先は六本木。。。一昔前、若いディーラー時代に、仕事で馴染んでいた街だし、オレの裏カジノ人生の初期の思い出が詰まっている六本木。
横浜から都内へと首都高を走らせると、あの頃の懐かしさと、今後の店舗での立ち位置を考えながら、楽しみが膨らんでいく。
裏カジノ界では良く耳にして何度も誘われたことがあるのだが、実際にオレが働くことになるとは思わなかった今回の仕事先は「大使館カジノ」。
「大使館カジノ」というのは、ご存知とおり、日本にあるどこかの国の大使館内にあることが多い。
大使館の中と言っても、例えばビルの1F、2Fが表の顔を引き立てるどこかの国の本物の大使館で、地下にも大使館名義で借りている場所を、裏カジノ店舗が又借りをして行っていることが多い。
この大使館名義の場所ということは、日本国内であっても日本の法律が完全に適用されるということがなく、その国での法律が適用される治外法権区域となることがある。
ということは、日本では違法行為にあたる裏カジノ店舗が、この治外法権が適用されれば、摘発されることがないということにもなり得るのだ。
幼い子供をもつオレには、摘発されない裏カジノ店舗はかなり魅力的だし、お客さん側にもメリットがあるだろう。
都内には多くの大使館や領事館があるのだが、メジャーな国の大使館や領事館ではこういった裏カジノ店舗の入り込むことが難しいが、貧しい国の大使館となると話は変わってくる。
そしてこの店舗内では、「O氏」からの推薦枠みたいな感じで、経営者側に近い立場で働くことができる。12時間労働のディーラー業務とはほど遠い環境で、収入もそれ以上が見込めているということで。。。
「大使館カジノ」に期待を膨らませながら、再び六本木の街にやって来たのだ。