裏カジノ界へ復帰したこの店舗での任務はキャッシャー。キャッシャーの小さな小窓から見える景色とカジノゲームが行われているモニター画面、そしてもっぱらYouTubeを見るためのパソコン画面、そしてキャッシュに囲まれながらオレは任務をこなしていく。
オレの働く時間帯は深夜から早朝の10時間ほど。。。
食事もドリンクもタバコもすべて2畳ほどのスペースの中で過ごすため、店内の明るいカジノとは空気が異なっている。店内の従業員とは違い人と喋ることが殆どなく孤独を感じることが多い。
店内の従業員たちからはキャッシャーに入る人は特別な人とされており、くだらない冗談話をするような相手ではないと思われている。
店側から信用されている一任者としてみられているため、くだけた話をする相手がいないのだ。
オレの発言は小さな小窓から「タバコちょうだい!」、「食事ちょうだい!」、「ウーロン茶ちょうだい!」と、これくらいしかなく、オレの相手はYouTubeとなってしまうのだ。
そう、当時は500話以上あったアニメ「ONE PIECE」を制覇したのもこのキャッシャー内。
アメリカのドラマ「24」シリーズを完結したのもココ。
更には、洋画やバラエティーなどもここのPC画面にお世話になっていた。
裏カジノ界に長く在籍していたオレではあるが、こんなに長い時間小さなセキリティ万全のハコの中にいたことはなかった。トイレに行くぐらいしかこのハコからは出られないという環境にいたことになる。
まさに缶詰状態となるのだが、今までの裏カジノでの給与を考えるとあまり良いとは言えない。
ココでの月収は45万円という微妙な数字なのだから。店舗の売上げが100万円であろうと1,000万円であろうとオレの月収は変わらないのだ。。。